2020/02/17 19:21

下北沢には下北沢の人がいた。
原宿には原宿の。
代官山には代官山。
渋谷、新宿、高円寺・・・。
どの街にもそれぞれの街の人がいた。
恐らく、都内だけでも雑誌のスナップ特集が成立するような
特色と個性が分かれていた時代が確かにあった。
それが大阪、名古屋、横浜、福岡、札幌と日本全国の都市にまでいくと
もっと個性的で独自性があって面白かった。
それはほんの15~20年前の話。

今の仕事柄、国内外の出張に多々出ることがある。
日本だと、どこの街に出てみても若い人はみんなスマートでお洒落だ。
いわゆる「ダサい人」はいなくなった。
と同時に「強烈な人」も少なくなってしまったので、ふと寂しくなる時がある。
だからたまに赤や緑の髪をしてる人や、ビンビンのモヒカンの人、キメッキメのバッキバキの人が颯爽と原宿を歩いてたりするのを見かけると、たまらなく嬉しい気持ちになる。
懐古主義っぽくてちょっとイケてないけど
お店に立ってたり、原宿の会社の周りをうろうろしていると
懐かしくてノスタルジックな気持ちになる時がある。
当時や当時の自分をうらやましく思うような時がある。
今より、確実に情報も行き届いてないし、
不便だし、不親切だし、
やっとたどり着いた目当ての店には商品は残ってないし
雑誌で見たカリスマ店員は思ったより不愛想だったりしたけど
ワクワクして街に繰り出して
ドキドキして買い物を楽しんだ。
お店をやっている以上、目指すはいつもそこだ。

何でも便利な時代だけど、わざわざお店に来てもらった以上、
わずらわしさも楽しんでもらえるようなお店を作れたら
どんなに良いか。
ちょっと形は違うけど、オンラインショップにだって同じことが言える。
わざわざ見に来てもらった人には
何かしらの楽しみを共有したいし
一緒に良い思いをしたい。
画像は去年の秋に訪れた香港。
デモ真っ盛りの時で報道も過熱していたから色々な人に心配してもらった。
現代の僕らからすると便利さと不便さが同居している不思議な街だったけど、結構居心地がよくて僕は好きになった。
またいつか必ず訪れよう。
↓ロッド・スチュワートのMaggie May
なんか、ノスタルジックな気分には丁度良い。
胸がキュってとなるのは僕だけではないはず。